今季放映されているNHKの朝の連続テレビ小説『虎に翼』がとても面白い。
巷の評判もとても良いものらしい。実在する女性初の裁判官がモデルのお話で、主演の伊藤沙莉さんも脇をかためる俳優の方たちの演技も魅力的だ。裁判官のお話ということもあり、憲法や人権、ジェンダーギャップなど、昭和初期から中期までのお話なのに、現代の様々な問題がそのまま描かれていて毎日のように放映後考えさせられる。こんな朝ドラ、すごく珍しいと思う。
そのなかで、同性愛者の男性が恋人を紹介する場面があった。主人公ははじめ面食らってしまうのだけど、すぐにその違和感に気づき謝る。
少し話が逸れるかもしれないが、息子の発達障害に関わるうち「障害とは?」とよく考えていた。グレーゾーンと言うけれど、真っ白な人など存在しない。グラデーションの濃淡はあれど、皆グレーである。濃さの割合で「障害」と括られてしまっているだけで、単純に分類できるものではない。
そう考えたら、男女の性質もグラデーションであって、男性らしさの濃い人、女性らしさの濃い人、それぞれ薄い人、ノンバイナリーなど、一人一人違う。ちなみに、大変遅ればせながら、恥ずかしながら、「ノンバイナリー」という言葉は最近知り、それがわりと自分に当てはまることを感じて、ちょうど気になっていたのだ。そんなことは当たり前のことかもしれないが、わたしは今まであまり意識してこなかった。
大多数の人は性自認がはっきりしていてそれを疑うことはあまりないかもしれない。マジョリティはマイノリティの立場に立ちにくいだろう。自分と同じカテゴリー以外は未知で怖いから、カテゴライズしてそこに収まっていたほうが安心で楽だ。
でも、そんなに簡単に分けられるものではなくて、ほんの少しでも疑い、想像することを試してみれば、きっと全然難しいことではないのではないだろうか。
とっても簡単な話、自分と同じ人はいないのだ。
それは障害や差別の問題にもすごく当てはまるはずだ。
どんな問題でもそうだけれど、自分と違うものに線を引いて閉ざしてしまわず、広く深く見られるようになりたい。
ものすごく大きな自戒を込めて……。
ちなみに、色々なことを考えさせてくれる朝ドラなのでわたしはとても楽しみにしていて、毎朝時間になるとテレビの前で体育座りをして視聴に臨んでいる。
(sayo)