出血があった。鮮血だ。赤ちゃんたち大丈夫かな。
その日はちょうど健診日だった。
診察して、子宮に溜まってる血を流して洗浄してもらった。
赤ちゃんたちは元気だった。超音波をお腹に当てた先生が「一つだけ」と長い話を始めた。
双子の片方の赤ちゃんの首のむくみが気になる。とのこと、
すぐさま染色体検査のカウンセリングと採血の仮予約をされた。
まだ「ほんの少し気になるだけ」と言われた程度だが
仮に疾患を抱えてても、立派に生きている人をテレビで観たことあるが
なんだろう、涙が出てしまう。
どんな子が生まれてもいい。元気であればいい。と願った通りにお腹の中で元気にいるのに。
悲しいとか、つらいとか、どの言葉も心に当てはまらなかった。
ただ自分の母はこの感情以上にわたしが疾患持った時、混乱し、自分を責めただろう。
産科医に肩を叩かれ励まされるが、母親という気持ちに涙が溢れていった。
わたしの母はどれだけ苦労しただろうか、原因不明や情報の少ない病、「死にたい」と泣く自分の子ども。考えられないぐらい心がぐちゃぐちゃになる。
わたしがこの現実を受け止められなくて、母に想いを馳せてるだけかもしれないが、
母を想うと涙が止まらない。
ともかく、どのような結果であれ、この子たちが生まれてきたら
おいしいご飯、ポカポカお風呂、ふっかふかのお布団
朝日が昇ったら身体を伸ばして起きられるようなお家を作ってあげよう。
人より苦労することがあるかもしれない。もう片方は寂しい想いをするかもしれない。
だけど障害を持つ母というわたしは色んな人に頼れて生きてきた。
大丈夫、人の頼り方、ありがとうの伝え方、知ってる。
だから、2人とも元気に生まれてきてね。
あなたたちの母はプロの障害者だから、人生のサバイバル攻略を教えたる。
(tomoyo)